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伝統工芸の「職人の技」を定量化する深層学習

プロジェクトマネージャーとして業務で行ったプロジェクトの一つです。
ディープラーニング技術を使い、伝統工芸品 熊野筆の不良品検知を行うプロトタイプマシンを作成しました。
本内容はGoogle本社で行われるTensorFlow Dev Summit 2020で発表予定でした(が、コロナでイベントは中止)

広島県熊野町で製造されている伝統工芸品 熊野筆は 180 年の歴史がある日本で最も有名な筆です。
筆先の肌触り・見た目の美しさなど、機械による定量化が難しい要素が重要である筆作りでは、ほとんどの工程において人間の手作業が必須となります。そこで、経験を積んだ筆職人の育成が重要となりますが、技能習得までに長い時間を要することなどから後継者がなかなか定着して育たないことが課題になっています。

現状の筆職人の作業を一部でも技術でサポートすることは、生産効率向上だけではなく、文化の持続可能性の観点からも重要です。
そこで我々は解決策の一つとして筆職人の属人的な作業となっている「穂先形状の検品作業」を定量化するツールのプロトタイプを作成しました。将来的には、このツールを用いることで職人作業の定量化、作業量の削減、後継者教育への貢献を目指しています。

入社面接の頃から「伝統産業とIT技術を繋げる仕事をしたい」と話していた目標の一つが叶いました。